|
私の場合はまずデザインしていく前提として、コレクションコンセプトに沿ったテーマを決め、各シリーズの構成を考える等、企画的な作業をしコレクション全体をイメージします。
そう言ったプランナー的な思考とは別に、クリエーターとして一点一点デザインをしていくのですが、大別すると素材中心にデザインを考える場合と、こういうものを作りたいという欲求から生まれる物と、この人に着けて貰いたいという気持ちから出来上がるものの3種類があります。
素材中心の物は、素材を眺め手に取り語らうような気持ちで始まります。同じ様に見えても石には各々個性があり主張があるので、それをいかに美しく、上野らしさを込めて表現するかを考えます。
創造欲求からの物は、インスピレーションとしか言い様が無いのですが、これは気紛れでいつ降りて来てくれるかは自分でも分りません。
ただ言える事は、海外の空気を吸ったり、日本の文化や芸術を操ってみたり、日常の全てのシーンで見たものや感じた物が自然と身体の中に蓄積され、それがデザインソースとなっているのでしょう。
人物からの発想は、オーダーの場合以外は稀なのですが、展示会でお会いした方の中で興味深いお話をして下さった方をイメージする場合もあります。
デザインした物が本当にデザイナーの意図のまま表現出来るか、又それ以上に今までに無い新しい試みが現実のものとなるかは、それを可能にする技術とチャレンジ精神が必要となってきます。
幸い私には細工費としてハイレベルな技能と誇りを高く持つ二人の心強い味方がいますし、素材を選び抜いてくれる担当者もいます。各分野のプロとして私のデザインを支えてくれる人々がいるのです。
感性だけでは私のジュエリーは成立ちません。良い創り、ディティールに至るまで完成度の高い物を追求しています。
苦労する時は、やはりアイディアがなかなか出ずに煮詰まっている時です。
デザイナーは24時間デザイナーなので、夢の中にもデザインが出て来たりもします。
これも善し悪しですね。
|